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姉が駆け落ちしたため、柴田真希は父の言いつけで、元婚約者である京市トップクラスの富豪・岸田家の当主・岸田智彦と結婚された。相手は冷徹で堅物、仕事以外に興味なしと言われる男。新婚初日、彼は即出差に出かけた。友達は真希のために不平を鳴らし、「結婚したのに修行僧みたいじゃない」と憤ったが、真希はむしろ満足だった。夫は富豪で家を空けがち、お互い干渉せず、境界線も明確。これ以上の“完璧な夫”がないと思う彼女は用心深く奥さんの役割をこなし、夫をビジネスパートナーのように扱い、それが完璧なバランスだと思い込んでいた。しかしその夜、これまで規律正しかった彼が、突然獣のように彼女をベッドに追い詰め、汗で湿った髪が彼女の頬に触れ、乱れた息を漏らして、彼は呟いた。「お前のそんな他人行儀な態度には、もううんざりだ」…もはや彼は、形式的な婚姻関係など望んでいなかった。彼が欲しかったのは、彼女の心そのものだった。この結婚は利益から始まったが、最終的には愛に帰るのだ。